かるナン物語

   技術交流会(後編)

(2007/09/30 Sun)

そして、約2週間が過ぎ、技術交流会(通称S会)に参加する日が来た。会場は都内の
A会館。期間は3日間で、朝9時から午後5時まで。途中休憩はあるのだろうけど、
結構きついスケジュールのようだ。それに資料を読むと交流会ではなく、研修会だ。
これは覚悟して取り組まないと。

当日朝、いつものとおり僕は早めにウチを出た。途中駅で信号故障があり電車が停車して
しまった。早めにウチを出たものの大丈夫だろうか、心配になった。でも、15分ほどして
電車は動き始めた。良かった。それでも、会場には30分前に着いた。

会場となっている会議室に入ってみると、二人用のテーブル16個が3列に並んでいて、
各テーブルの上には3角柱のプレートが横にして置いてあり、会社名と氏名が記入してあった。
前からも後ろからも見えるように前面と背面の両方に書いてあった。氏名の下には英語でも
書いてあった。座席指定か。

会議室の一番後ろに移動して自分の名前を探した。あった。そして、その席のとなりを見ると
既に人が座っていた。それも女性であった。

  『おはようございます』と僕。
    『おはようございます。よろしくお願いします』

席について周りを見渡すと僕たち二人だけだった。しばらく黙っていたが、ちょっときまずい
感じもする。黙っているのも失礼かなと思って声をかけた。

  『二人だけですね』
    『そうですね。ちょっと早く来すぎました。でも、私はいつものことですから』

  『そうなんですか。僕も早めに来ないと落ち着かないんですよね。遅刻したくないから』
    『同じです。私もそうなんです。それで、Nさんの血液型は何ですか?』

  『えっ、血液型ですか? B型ですけど』
    『えっ、そうなんですか。私はA型ですけど、NさんもA型だと思いました』

  『そうなんですか? 今日みたいに早めに来るのはB型の性格ではないんですか?』
    『そうですね。B型じゃないと思いました』

  『そうですか』
    『まぁ、血液型で性格がすべて決まっているわけではないですけど』

  『そうですよね』

そんな話をしている間に次第に人が増えてきて、定刻10分前になった。係りの人が入って
きて出席状況をチェックしている。まだ、2名ほど来ていなかった。5分前になって全員が
揃った。そして、外国人の講師と通訳2名が入ってきた。

定刻になり、係りの人が今回の研修内容について簡単に説明があった。そして、さっそく
講義が始まった。まず、講師の外国人が英語で話す。それを通訳が日本語に訳す。
そういう形式の研修だった。

英語かよ。課長の人選は間違っていたんじゃないのか。僕は英語はだいの苦手。中学程度
ではないかと思っている。あるいはそれ以下かも。大学は出ているのだが。まぁ、通訳が
いるから今のところ支障はないのだが。先々が不安になってくる。

1時間半が経過したときに休憩となった。やはり結構しんどい研修だ。関連する図書を
一冊読んでいたので内容は理解しやすいのだが、英語が煩わしくて困った。ときおり
分かる単語が聞こえる程度。これでは、先が思いやられる。まぁ、とりあえず休憩だ。

  『何か飲みに行きませんか?』

隣の女性に声をかけた。迷惑かな。どんな反応が返ってくるのか不安もあり、期待もあり
複雑な心境だった。

  『はい』

良かった。OKだった。嬉しい。二人で研修室を出て、リフレッシュ・コーナーに行った。
そこには自動販売機と少し高めのテーブルと椅子があった。その女性はコーヒーを、僕は
ミルクティーを買った。少し高めの椅子に腰掛けて二人で話を始めた。

  『いやぁ、英語はキツイですね』
    『そうですか?』

  『えぇ。僕にはね。通訳がいるから大丈夫なんですけど』
    『そうですか』

  『Sさんは大丈夫なんですか?』
    『う〜ん。だいたい分かりますから大丈夫です』

  『そうなんだ。羨ましい』
    『高校生の時には通訳になろうと思っていましたから』

  『へぇ、そうなんだ。でも、何で今は情報関係に?』
    『そうですね。なんででしょうかね』

  『・・・』
    『・・・』

  『続きは、また後ってことにして、研修室に戻りますか?』
    『はい、そうしましょう』

なんか、いい感じ。好感触。まんざらでもなさそう。次の昼食時間とか午後の休憩時間
も一緒になれるかな。たぶん大丈夫なのではないか。誘ってみようと決めた。

          ●お・わ・り●




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しんや at 2008/06/06 19:49
脱サラしてセっクス三昧の生活を始めたんだけどマジで当たりだったよ!
こないだ14マンくれた女は、コンニャク5枚使って俺のティンコシゴいた後に全部食べてやんのwwwwww
金持ちって変態だらけだなwwwwwww [削除]
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   研修会(前編)

(2007/09/23 Sun)

中堅どころのソフトウェアハウスは、大手メーカー系の情報処理会社と競争するのは大変な
ことである。独自の製品とか得意分野とかニッチを狙うとか、いろいろな経営戦略が必要と
なる。そうしないと生き残れない。厳しい業界である。

そのためには、ライバル同士が助け合うこともある。同じぐらいの規模の会社間で技術的な
交流会を開くこともある。大手に対抗するためにはそういった協力も必要となる。
僕の勤めている会社もそんな会社のひとつだ。

ある日のこと。昼過ぎに課長に呼ばれた。いつものとおり、システム手帳を片手に持って
課長席の前にある椅子に腰掛けた。

  『N君ね。今度、例のS会で技術交流会があるんだ』
    『そうですか。私が参加するのですか?』

  『そういうこと。頼むよ』
    『はい。分かりました。テーマとか期間とかはどうなっていますか?』

  『うん。この資料を見て』
    『再来週ですか』システム手帳で予定を確認する。

  『どうかね』
    『はい。大丈夫です。何とかなります。あとはテーマですね』

  『CMMIだけど、N君は最近それに関する本を読んでいたよね』
    『はい。1冊ですけど興味深い内容でした』

  『そうか。それはちょうどいい。それじゃ、頼むよ』
    『分かりました』

席に戻ると隣の席のF君が話しかけてきた。

  『S会に出席するんですか?』
    『うん。そうなんだって』

  『へぇ。先輩も大変ですね』
    『まぁね。確かに』

  『だって、S会に出席したら後で報告会を開くんですよね?』
    『そうなるね。いままではそうしてたからね』

  『先輩は人前で話すのは苦手だって言ってたじゃないですか』
    『まぁ、そうだけど』

  『大丈夫なんですか?』
    『大丈夫じゃないけどね。何とかなるんじゃないの。台本があれば』

  『そうですか?』
    『うん。僕ってアドリブはきかないけど、準備万端にしていれば安心なんだよね』

  『でも、質問時間もありますよね?』
    『まぁ、確かにそうだね。でも、想定質問を考えておけば何とかなるでしょ』

  『そうですね。頑張ってください』
    『ありがとう。頑張ってみるよ』

そうなんだ。せっかくの勉強のチャンスだし、S会への出席を課長が推薦してくれたのは
それだけ僕のことを認めてくれているってことだし。仕事へのモチベーションも上がるよな。
頑張らないと。少し間があって、またF君が声をかけてきた。

  『ところで、CMMIって何ですか?』
    『Capability Maturity Model Integration の略だよ』

  『何ですか、それ?』
    『直訳すると能力成熟度モデルってことになるね』

  『それだと Integration が入ってませんね』
    『おぉ〜。なかなか鋭いね。大したもんだね』

  『そんなぁ。からかわないでくださいよ』
    『まぁ、いろいろモデルがあってね。それらを統合したので“I”が付いてるんだ』

  『そうなんですか。それで、その何とかモデルって何ですか』
    『簡単に言うと、ソフトウェアの開発の仕方を組織的に改善するってことかな』

  『開発の仕方ですか』
    『CMMIではプロセスって呼んでるけどね』

  『へぇ〜』
    『ウチも製品検査はやってるけど、開発方法についてはチェックがないよね』

  『はい。確かに』
    『作り方が悪ければ製品の品質も悪くなるってわけだね』

  『ふ〜ん。なんとなく分かったような気がします』
    『あとは、報告会に参加して。そうすれば、よく分かると思うよ』

          ■つ・づ・く■




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